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依存症治療について

アルコール依存症とは

  1. 誰でもなりうる病気です
  2. 慢性に経過する病気です
  3. 姿を変えていく病気です
  4. 死に至る病気です
  5. 周囲を巻き込む病気です

私たちにとってアルコールは生活の一部として存在しており、身近な存在です。

日本では古くから、地域の祭りや神事に欠かせないものであり、日本酒や焼酎など、日本の伝統的な食文化でも深く浸透しています。

日常生活においては、コンビニエンスストアで24時間いつでも購入できますし、人間関係を潤滑にする一助を担う手段としても活用されています。日本は古くより飲酒に関して、寛容な文化とも言えます。しかし、「アルコールは依存性のある薬物」という面は、あまり認識されていません。

健康問題だけでなく、飲酒運転による交通事故、暴力や虐待、自死などの社会問題の陰にも、アルコール問題が潜んでいることが、実は少なくありません。

日常生活に当たり前に存在しているものに、依存性があるとは意識せず、無防備に体内に取り込んでいるのが現状でしょう。またアルコールは生活習慣病を引き起こす要因として知られています。

日本はアルコールに寛容な国ですので、「このくらい誰でも飲んでいる」と思いがちですが、放っておくとご本人だけでなくご家族も大変な状態になってしまいます。「ちょっと飲み方がおかしくない?」と思われたら、早めにご相談ください。

 

薬物依存症とは

日本は、薬物問題に「ダメ、ゼッタイ」に象徴される「不寛容・厳罰主義」を一貫して進めてきた、
先進国では稀有な国です。

薬物依存の問題を解決するために、ヨーロッパなどでは厳罰主義から「ハームリダクション」(薬物の害をできるだけ減らす)と言う方針に変ってきました。

国連もこれを推し進めています。たとえばスイスでは、1970年代に違法薬物ヘロインがまん延したため、法律を改正して厳しく取り締まりましたが、逆に使用者が増えてしまいました。その結果10年前後のうちに新規のヘロイン使用者は1/6から1/5に、ヘロイン所持の検挙件数は1/3に減少しました。

自分の地域や職場に薬物依存から復帰しようとしている人がいたら、どうしたらよいでしょう。
薬物依存を従来のイメージや先入観で眺めず、本当はどういう病気なのか勉強してほしいと思います。

また、その人が医療機関や自助グループに通っていたら、ぜひ褒めてください。薬物はいったんやめるのは簡単でも、止め続けることこそ難しいのです。したがって、通院していることこそ回復に向かっているあかしだと考えてください。

薬物の種類

違法から合法のものまで依存性のある薬物はたくさん存在します。ここでは当院の患者さんの中でよく使用されている薬とその効果を紹介します。

1、覚醒剤(アンフェタミン、メタンフェタミン)

日本で最も乱用されている違法薬物です。興奮作用が強く、性的な快感を強める、集中する、やせるなど様々な目的で使用されています。

使用すると感覚が過敏になり何日間も眠らずにいられますが、薬効が切れたときの脱力感や不快感はとても大きく、また、幻聴、幻視、被害妄想といった離脱症状が出やすいという特徴があります。

2、大麻(マリファナ)

大麻草という植物から作られる薬物です。10代20代の若い世代で比較的使われています。俗にいう第六感が働くらしく、特に音楽や美術などの芸術に関わる活動において使用する人も多いと言われています。

多幸感、食べ物が美味しく感じる、リラックスできるといった効果もあり、気軽に使用されます。実際には覚醒剤と同様に依存性は強く、離脱症状も生じます。

3、処方薬(睡眠薬、抗不安薬、鎮痛薬)

違法な薬物ではありませんが、その効果を得るために規定量よりも多く服用することを過剰服薬(オーバードース)と言います。

最初は不安や焦燥感を消すために適切な量を服薬していても、繰り返し服薬するうちに同じ量では同等の効果が得られなくなり(耐性という)、徐々に頻度や量が増えていきます。中には現実逃避や自殺することを目的として過剰服薬をすることもあります。

より効果を高めるためにお酒とあわせて飲むこともあり、アルコール依存症との合併も多いと言われています。

4、市販薬(風邪薬、咳止め、鎮痛剤)

処方薬と同様違法な薬物ではありませんが、市販薬の中には覚醒剤や大麻と似た効果を得られるものがあります。違法薬物に比べれば安価で手に入りやすいため、若い世代で使用していることが多く、近年社会問題となっています。入手が容易なため、習慣化しやすく、薬がないと無気力、抑うつな気分に陥るため常に買い求めてしまいます。中には出費が重なり経済的負担が大きくなることを危惧し万引きという手段で手に入れる人もいます。

5、コカイン

強力な中毒性を持つ麻薬です。日本ではあまり多くありませんが、その興奮作用は強烈であるためハマる人もいます。覚醒剤と同様に疲労感や眠気を感じずに高揚感、活動力を維持できます。依存性はとても強く、身体への負担も大きい薬物です。

当院の取り組み

大法山病院は依存症専門医療機関の指定を受け、主にアルコール依存症・薬物依存症の治療を行っています。当院では、外来・入院患者さんに「せりがや覚醒剤依存症再発防止プログラム(SMRPP)」を活用し、独自に「大法山依存症再発防止プログラム(TARPP)」のテキストにて、認知行動療法治療プログラムを実施しています。
また保健福祉事務所にて、依存症の研修会を開催、福岡県の薬物再乱用推進事業に参加し、薬物事犯初犯者への回復プログラム体験の取り組みを実施しています。

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