看護部便り
日本精神科看護協会会長 来訪‼
2025年2月26日、日本精神科看護協会会長・東海大学医学部看護学科教授 吉川隆博先生ならびに同学部看護学科助教 伏見友里先生 同学部看護学科講師 荻野夏子先生が訪院されました。
当院への訪院目的は「精神科医療機関における、精神障害者の身体疾患に対する治療・看護の実践についての理解を深める」という内容で、当院の施設見学、認定看護師・特定看護師へのヒアリングが行なわれました。2時間程でしたが有意義な意見交換ができました。
施設見学では精神一般病棟、地域移行強化病棟、認知症病棟(生活機能訓練・嚥下訓練)多目的ホール、リハビリセンター、デイケアを見学されました。
中でも身体合併症病棟での処置・包交カートの物品の多さに驚かれていました。
当院では入院患者の高齢化に伴い精神疾患のみならず生活習慣病などの身体疾患を合併した患者様に対して精神科医・内科医が協同し精神疾患・身体疾患に対して積極的な医療提供に努めています。
(1)言語聴覚士を中心とした摂食機能療法(摂食機能訓練)
(2)理学療法士・作業療法士によるリハビリテーション
(3)認定看護師・特定看護師によるコンサルテーション
(4)管理栄養士・精神保健福祉士・公認心理士を含むチーム医療の実践
ヒアリングでは認定看護師・特定看護師の業務内容や各自が意識して取り組んでいること、目指すもの、現在の課題、そして今後診療報酬として反映して頂きたいと思っていることがあるか等を中心にヒアリングがおこなわれました。
【ヒアリング】
▪認定看護師・特定看護師の活動
こころ相談ダイアル・コンサルテーション・実習指導者・院内での現任教育・
看護学校への講師派遣・障害者施設への講師派遣など
▪認定看護師・特定看護師として抱える問題点
◎特定看護師
経験や知識不足から臨床推論に欠ける。診る・触る・聴くことが不足している。
現場での事例をフィードバックしフィジカルアセスメント力を高めたい。
◎認定看護師
現場の看護スタッフが、認定看護師の介入でやらされ感ではなく、主体的に
スキルアップすることにつながっていくかが今後の課題である。
【今後の課題】
吉川会長方の訪院で気づかされたことは、精神科病院において身体合併症患者の受け入れ病院の数は全国的にも少ないのが現状であるということです。一方、当院においては既に数十年前より精神科病院において身体合併症患者の受け入れを積極的に行なっている実績があります。それを今後どのように地域へ周知していくか、認定看護師、特定看護師の介入で、より高い身体合併症ケアの実践を提供することができるのかが、今後の課題であると感じました。